2025年1月18日に行われた大学入学共通テストの1日目終了後、受験生の間で話題となったのが共テ国語の第2問の小説に登場したヒス構文です。
出典を調べたところ、作者は詩人で小説家の蜂飼耳(はちかい・みみ)さんで作品名は2005年発表の「繭の遊戯(まゆのゆうぎ)」だと分かりました。
この記事では共テに登場した「繭の遊戯」のヒス構文が誰が誰にどのような状況で使ったものなのか、ヒス構文のセリフが出てしまった原因が何なのかをサクッとご紹介します。
共テ国語に登場したヒス構文が使われた状況は?
引用:高校生新聞ONLINE
共テ国語に登場して話題になったヒス構文は
もうわかった、あたしが死ねばいいんでしょ、
じゃあ、死ぬよ
です。
主人公の祖母が言い争いの最中に母に言ったセリフ
このヒス構文は主人公「わたし」の祖母が、主人公のお母さんと言い争いをする最中に言ったセリフです。
言い争いの原因は「子ども部屋おじさん」
主人公のお母さんの弟(おじさん)が仕事をせず自分で建てた小屋という繭にこもり、「仕事」と称していつも完成することのない何かをただただ作っている様子を見かねたお母さん。
いつまでも親のスネかじって
と大声で怒ります。
ですがおじさんは
耳が聞こえなくなった鳥のように、なにもかも無視して
いなくなってしまいます。
そしてお母さんは主人公の祖母(お母さんとおじさんの母親)からもおじさんに何か言うよう呼びかけますが喧嘩になり、祖母に対して「お母さんが甘いからだ」と発言したところ
もうわかった、あたしが死ねばいいんでしょ、じゃぁ死ぬよ
と、祖母の口から話題のヒス構文が登場するという流れです。
ヒス構文登場で盛り上がるTwitter
共通テストの国語は毎年何かしら話題になっている気がしますね。
今回のヒス構文登場にも、受験生たちが盛り上がっていました。
そもそもヒス構文って何?
ヒス構文とは「ヒステリックな構文」の略で、お笑いコンビ「ラランド」のサーヤさんが発案し、一気に浸透して2023年のJC・JK流行語大賞になった言葉です。
サーヤさんによると
お母さんが論理を飛躍させたり、論点をすり替えヒステリックな語気を伴うことで相手に罪悪感を抱かせる構文
だそう。
【共テ国語ヒス構文】蜂飼耳の「繭の遊戯」は単行本未収録?全文は短編集で!
共テ国語で話題となったヒス構文が登場する蜂飼耳さんの「繭の遊戯」は小説の一節のみが出題されたため、全文を読みたい!と思っている方もいるようです。
出題されたヒス構文を含む一節は当日夜にWebサイトで公開済み
出題されたヒス構文を含む一節は、試験1日目当日の21時ごろから大学入試センターや新聞各社などで既に公開されており、読むことができます!
全文を読みたいけど「繭の遊戯」は単行本未収録?短編集で読める!
蜂飼耳さんの「繭の遊戯」はKADOKAWAが発行する小説誌「野生時代」の2005年8月号で発表されました。
「繭の遊戯」は単行本未収録作品ですが、極上掌篇小説(2006年 角川書店)に他の作家さんの短編とともに収録されています。
共テ国語のヒス構文を書いた蜂飼耳さんのおすすめ作品
共テ国語のヒス構文が登場した小説が好みだから、蜂飼耳さんの他の作品も読んでみたいという意見も見かけます。
蜂飼耳さんが書いた中から、代表的な作品をご紹介します。
詩集
- いまにもうるおっていく陣地(1999年/紫陽社)
- 食うものは食われる夜(2005年/思潮社)
- 顔をあらう水(2015年/思潮社)
エッセイ
- 鴨長明 「方丈記」(2018年/光文社古典新訳文庫)
小説
- 紅水晶(2007年/講談社)
- 転身(2008年/集英社)
絵本
- うきわねこ(2011年/ブロンズ新社)
- ゆきがふる(2013年/ブロンズ新社)
絵本は文章のみで、それぞれ違う方に絵を描いてもらっています。
教科書
- なまえつけてよ(小学5年生国語/光村図書)
- みきのたからもの(小学2年生国語/光村図書)
入試問題にも度々採用されている